「NISAって結局なに?」「つみたて投資枠と成長投資枠、どっちを使えばいいの?」「1,800万円まで入れないといけないの?」。NISAの話を聞くと、数字と言葉が一度にたくさん出てきて、何が大事なのか分からなくなりがちです。
NISAは、ひとことで言えば「この口座で買った株や投資信託の利益には、税金をかけません」という国の制度です。商品の名前ではなく、口座(入れ物)の名前です。この記事では、金融庁のNISA特設サイトに書かれている内容だけを使って、仕組みを順番に整理します。
NISAは「税金がかからない」仕組みで、「損をしない」仕組みではありません。NISA口座で買った商品も、値下がりして元本(入れたお金)を下回ることがあります。
「非課税」とは、何がどう得になるの?
ふつうの口座(課税口座)では、株や投資信託を売って出た利益や、受け取った配当に約20%の税金がかかります(税率の詳細)。NISA口座では、この税金がかかりません。
たとえば、仮に10万円の利益が出たとします。
| ふつうの口座 | NISA口座 | |
|---|---|---|
| 利益 | 10万円 | 10万円 |
| 税金(20.315%) | 約2万円 | 0円 |
| 手元に残る利益 | 約8万円 | 10万円 |
これは計算の仕組みを見せるための仮の数字です。利益が出ることを示すものではなく、損失が出ることもあります。
一方で、NISA口座で出た損失は、ほかの口座の利益と相殺したり、翌年に繰り越したりできません(国税庁 No.1474)。「利益にも損失にも、税金の仕組みが関わらない口座」と考えると分かりやすいです。
つみたて投資枠と成長投資枠は何が違う?
新しいNISAには、2つの枠があります。併用(両方を同じ年に使うこと)ができます。
出典:金融庁 NISA特設サイト「新しいNISA」(2026年10月20日確認)
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の上限 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯の上限 | 1,800万円(2つの枠の合計) | 1,800万円のうち1,200万円まで |
| 買えるもの | 長期の積立・分散投資に向いた一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など |
| 買えないもの | 対象として決められた商品以外 | 整理・監理銘柄、信託期間20年未満や毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託など |
| 非課税で持てる期間 | 無期限 | 無期限 |
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が一覧を公開しています。成長投資枠は対象が広い分、自分で中身を確かめる必要があります。
上限まで入れないといけない?
いいえ。年120万円・240万円は「ここまでなら入れられる」という上限で、入れなければならない金額ではありません。毎月数千円から積み立てる人もいます。いくら入れるかは、生活費と分けたうえで、続けられる金額から考えます。
生涯1,800万円の枠は、売ったら減ったまま?
減ったままにはなりません。金融庁の説明では、NISA口座で商品を売ると、売った商品の買ったときの金額(簿価)の分だけ、翌年以降に非課税の枠が復活します。
| 例(仮の数字) | 使っている枠 |
|---|---|
| 100万円で買った投資信託を持っている | 100万円分 |
| その年のうちに売った | まだ100万円分(その年は戻らない) |
| 翌年 | 100万円分が空き、また使える |
注意点は2つです。復活するのは「売った年」ではなく翌年以降であること。そして、復活しても年間の上限(360万円)は変わらないことです。
期間や年齢の決まりは?
出典:金融庁 NISA特設サイト(2026年10月20日確認)。金融庁は、2027年1月からつみたて投資枠に限り0〜17歳も口座を開設できるようになると案内しています。
旧制度(2023年までの一般NISA・つみたてNISA)で買ったものは、新しいNISAとは別の枠で、旧制度の期限まで非課税で持てます。旧制度から新制度へ、商品をそのまま移すことはできません。
NISA口座はいくつ作れる?
1人1口座です。証券会社と銀行の両方に作ることはできません。作る金融機関を変えることはできますが、年単位です。選び方と変更の手続きはNISA口座は1人1口座:金融機関を選ぶときに見ることで説明しています。
つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを使えばいい?
これは人によって答えが違うので、このサイトでは「こちらを使ってください」とは書きません。考えるときの軸を挙げます。
| 考えること | つみたて投資枠が合う場面 | 成長投資枠が関わる場面 |
|---|---|---|
| 買いたいもの | 対象の投資信託を毎月決まった額で | 個別の株や、対象が広い投資信託 |
| 手間 | 一度設定すれば自動で続く | 自分で商品を選んで買う |
| 年間の金額 | 年120万円までで足りる | 年120万円を超えて入れたい |
両方を同じ年に使えるので、「まずはつみたて投資枠だけ」「慣れてから成長投資枠も」という使い方もできます。積み立てと一度に買う方法の違いは「つみたて」と「一括」の違いで整理しています。
「毎月いくら積み立てたら、何年後にいくらになるか」は、金融庁の[つみたてシミュレーター](https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/)で試算できます。入力するのは毎月の金額・想定の利回り・期間の3つです。金融庁も明記しているとおり、結果は将来を予測・保証するものではありません。
まとめ:チェックリスト
- NISAは口座(入れ物)の名前。利益と配当に税金がかからない
- 損をしない仕組みではない。損失は他の口座と相殺できない
- 年間の上限は つみたて120万円+成長240万円=360万円。上限まで入れる必要はない
- 生涯の上限は1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)。売ったら翌年以降に枠が戻る
- NISA口座は1人1口座。金融機関の変更は年単位
次に読む
出典(いずれも2026年10月20日確認)
- 金融庁 NISA特設サイト「新しいNISA」「NISAを知る」「2023年までのNISA」「つみたてシミュレーター」
- 国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(令和8年4月1日現在法令等)
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